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6次元のはて

舞台「半神」を観劇してきました

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www.hanshin-stage.jp

どこから話せば……!と悩むほど頭を使う作品だったのですが、120分間微動だにせず観ていたのは自分のことながら面白かった。当たり前だけど作品自体も面白かった。それほどのめり込んでいた。以下、容赦なくネタバレを含みます。

 

まずは作品全体について。

観劇回数と年歴が少なく短く、すごい体感的な感想は「アトラクションのようだった」。緩急のスピード差が激しく、その中でぐるぐると目まぐるしく変わるシュラとマリア(と先生)を取り囲む世界観。根本は変わらないはずなのに、様々な変化を感じるのはシュラの成長と先生と双子の関係性の変化も含まれているんじゃないかと思いました。難しい作品だったけれど、話の内容は時たま戻る現実世界のおかげでまとまっていたように感じます。他の演出家さんの半神を知らないけれど比較的わかりやすかったのではないかなと。ただ、さすがに混沌な世界観は確立していたから難しいっちゃ難しい。

 

まあでも最初に体操着で登場したときはどうしようかと思ったけど!びっくりした!半分神小学校3年い組だというのは後々知った。たぶん言ってたんだけど思いっきり衝撃で聞き落とした。そして他の半神も観たくなった。この始めの音読が最後に繋がると思うと、そういう伏線回収みたいなものは個人的に興奮する。

あの八百屋舞台で体育座りするの大変だろうな〜と思いつつ、顔を腕に埋める先生可愛らしかったです。小学生がそこにいた(身長ありえないほど大きいけど)。

そのあとタンゴを経て小学生から学生演劇の半神に変化していく様子はどきどきした。そもそもデデマウスの楽曲がすべてどきどきさせてくれる!すごい!初めて知ったけど気になる楽曲ばかりでした。

全体を通して踊りが激しいのも特徴的でした。「命を削るものは美しい(ニュアンス)」と前にとある劇団のプリンシパルが言っていたけれど、まさにそんな感じ。たぶん滴る汗が相乗効果でそう見えた。決してキラキラするような舞台ではないはずなのだけれど、命を削っているような感覚に陥った。演者の熱量が伝わってくるのがすごい。

一応16ページの漫画が原作であるから作品自体は「2.5次元」に含まれるのかもしれない。けれどそれは2.5とかいうものに収まることなく、ましてや次元を飛び越えていくつもの次元を跨いでいる作品のように感じました。作品中で「n+(n+1)次元のメガネ」をかけるシュラと先生。そのメガネを通して見る世界は次元に囚われることなく、ただ「目の前にある世界」と向き合っているようでした。

 

普通の人ならここまで読んで「何言ってるんだ?」って思うと思うんですけど、私も書いててよく分からなくなってきました。書きたいこと2割も文字に出来てない。諦めて主要3人のキャラクターについて殴り書きたいと思います。

 

シュラ(桜井玲香

元々玲香ちゃんのお顔は乃木坂の中で一番好きで認知していたんですけどお名前を存じておらず……お恥ずかしながら半神にて初めて知りました。最高でした。美人の中の美人ってくらい好きな玲香ちゃんが醜いシュラをどう演じるのかとっても気になっていたところで、見事に声と表情をうまく使っていたなと思いました。あとはボサボサの髪の毛。それとキレのある動きはダンスのおかげなのかな。この2つは特にマリアに翻弄されているシュラを表現しているかのように感じました。そんな半神ロスのままこの間歌番組を見たら乃木坂が出てて、アイドル玲香ちゃんを見て尊敬の念を送りました。しっかり認知してから見る玲香ちゃん最高でした。もちろんお芝居してる表情好きなので、出来ることならレベッカ行きたい。

 

マリア(藤間爽子)

シュラと対になる愛らしいマリア。愛される笑顔と日本舞踊をされている爽子ちゃんらしいなめらかな動きが印象的でした。それから後半にシュラを演じた時のマリアとは違う激しさ。なのに玲香シュラとリンクして見えるタイミングがあることの驚き。キャスティング当たりすぎじゃんと思いながら見てました。初めての舞台だったようですが、堂々とした佇まいは今までの日本舞踊の場数が生きているのだと感じました。かっこよすぎる。

 

先生(太田基裕

中屋敷さんが仰っていた通り、ヒロインであり王子様の先生が最高でした。最初は達観して双子を見ていたのに、どんどん双子が抱える闇に引き込まれていく姿はまるで観客に近いように思えました。あと書生姿が様になる……!!ブロマイドないのがショックなくらいです。なんで無いの????それと最初の半分神小学校のシーン、リリアン組(明里ちゃんとマリーさんともっくん)がずーっとニコニコ絡んでたの可愛かったんだ。この世のものとは思えない可愛さなんだ。それからストレッチ?とか言われて真っ先に倒れ込む太田くん、それはストレッチなのか????ダンスが苦手ってどこかで言っていた気がするけれど、難しそうなコンテンポラリーダンスも頑張っていたのでなんかもう泣きそうでした。結構前列だったから、顎から滴る汗が見えて私の涙腺が緩んだ。今回特に真面目に悩んで悩んで、苦しみながら作品を作ってたようだったので、それが垣間見えた気がして心がぎゅっとなりました。

 

とまあ、まとめるとこんな感じです。あと個人的にとても好きだったのは、化け物役の齋藤明里ちゃん!!とっても化け物!!蛇をイメージしたと本人が仰っていたんですけど、それを知ったの観劇後だったんだ……2回入りたかった……。ますます柿喰う客の舞台も観に行きたくなりました。

あまりに雑すぎて締め方が見つからないんですけれども。愛 am everything.だとか、たずねてもいい、けれども答えちゃいけない。だとか、素敵なセリフを残しておきたいと思います。全部好き。

 

entertainmentstation.jp

 

 

半神 (小学館文庫)

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戯曲 半神

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ウは宇宙船のウ (小学館文庫)

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